Himari Yoshimura (8 years old) 吉村妃鞠 - Paganini: Violin Concerto No.1 - 1st movement [2019]
2002年7月11日(木) 東京 39歳
京都について私が知っているニ、三の事柄
(1)
1984年の夏、京都にバルテュス展を見に行ったとき、京都についてイメージしてみたこと。
撮影されなかった架空の映画についての妄想。
京都を舞台にした60年代・東宝の青春映画があったらよかったなあ。そう、『古都』(1963年中村登監督作品)のような松竹映画ではだめで、太秦でセット時代劇しか撮らない東映京都は論外、あくまで東宝の青春映画で、京都を活写してほしい題材があったのだ。
監督は『あこがれ』でデビューした出目昌伸。主演は内藤洋子。そこまでイメージはできていた。
(2)
196X年京都。「関西フォーク」というムーブメントが、関西の大学の自主コンサート主催サークルから出てきて、当時出始めの深夜放送の電波に乗って、関西発として日本全国に飛び火していった。
そんななか京都のアマチュア・フォーク界で最も有名だったのが加藤和彦で、当時CFマーチンのアコースティックギターは、京都で彼しか所有していなかったという伝説がある。
福井ミカ(のちに加藤と結婚→離婚)の自伝を読むと、そこらへんの京都を舞台にした、ごちゃごちゃした人間関係のふれあいが描かれていて、かなり映画とか小説の題材になりそうだな、と思ったことがある。
H女学院の高校生だったミカは、今の言葉で言うと「イケイケ」で、コンサートの楽屋に図々しく訪ねていって、ギターを教えてくださぁい、と無理矢理初対面の加藤を拝み倒し、そのまま彼女の座を射止めるという「荒技」エピソードを披露している。これなんかプレストン・スタージェスとか、ハワード・ホークスのスクリューボール・コメディーっぽくて、かなり好きなエピソード。
(3)
アコースティック・ギターを弾く女の子というのはフォトジェニックで、映画のシーンには最適だと思うんだよね。ギターを「教える=学ぶ」という関係。それは異性であろうと同性であろうと、楽器はある性的な感興をもたらすというのが、わたしの持論なのですが。
アニエス・ヴァルダのデビュー作『5時から7時までのクレオ』(1962年)でも、売れっ子シャンソン歌手のコリンヌ・マルシャンのアパートにやってくる作曲家のミシェル・ルグラン(これがかっこいいんだ!愛しちゃった!)と即興で新曲を創って行くやりとりは、めちゃくちゃときめいてしまうシーンなんだよ!
フリッパーズ・ギターが登場したときも、中古レコード好きの高校生の男の子が、日曜日の午後、部屋で一所懸命、レコードからコードをコピーしている様子がヴィジュアライズされたものだった。
(4)
1956年、谷崎潤一郎が「週刊新潮」に連載して、未完で連載を打ちきった『鴨東綺譚』(おうとうきたん)。京都を舞台に、奔放に愛に生きた女性を描いた作だったというが、打ちきりの原因が、モデル問題ということにあった。モデルと噂される女性が訴えを起こしたというのである。それは現在までたびたび問題になる芸術とプライバシーの関係の問題を孕んでいるのだが、それは置いといて、今日伊吹和子さんの『われよりほかに〜谷崎潤一郎 最後の十二年』を読み返すと、この件に関しての記述があり、強く興味を持った。
(5)
2000年4月2日〜3日、横浜から京都まで自動車で往復する旅をした。
深夜思いついて、何の準備もせぬまま旅立った……それだとかっこよすぎるんだけど、実はある用(仕事)があって京都に行ったの。それが何かはここには書かない。神奈川県大和市の女ともだち宅を出、国道246号線を西へ下っていった(上っていった?)。座間海老名厚木愛甲石田伊勢原秦野大井松田御殿場裾野沼津と過ぎる頃には夜が白み始めてきた。
沼津で国道246号は終点、国道1号に吸収されここからは東海道の旅。朝もやの富士山を右に見て走る。
その間ずっととめどもなく、現れては消えていく様々な空想・妄想に浸った。くだらない知識の断片の数々。実際に見えている景観とどうやって折り合いつけているのかわからないが確かに目の前「この辺り」にある何か。これは言語化不可能だし映像化も無理である。だけれどもこだわりたい。この断片を捉まえたい。目に見える風景からインスパイアされる断片を記録できたら最高だなぁ…そんなことを思いつつ沼津原蒲原清水静岡焼津島田大井掛川と進んで行った。完全にナチュラルハイ状態が起こっていた。
[そのとき頭をめぐっていた断片のメモ]
●「次郎長三国志」発表時の村上元三は同じ長谷川伸門下としてマキノ雅弘に異様な敵愾心をもっていた●次郎長が男を上げた最初の喧嘩はどの川だったか、もう渡ったかな?●『ウリナリ』でブラピとポケビが東海道を東上していくゲームは面白かったな。テレビバラエティーと双六は相性は良いな。なぜかまったく同じ企画がフジテレビでもやっていたなぁ。深夜見たんだけど、シャ乱Qのつんくとはたけを除いた3人と富永美樹アナが双六で東海道を東上するの。ぜったいあの番組がきっかけでまことと富永はつきあい出したんだと思うよ。この後芸能界を追放されることになるしゅーも健在な頃の番組だ●『雨あがる』は実際本物の台風接近の増水時、大井川でロケをしたらしい。すごい迫力だったもの。
| 2020年7月11日(土) バンコク 57歳
バルテュス
「古都」
内藤洋子
C.F.Martin Guitar CTM D-45 1968 Style Madagascar
「悲しくてやりきれない 」ザ・フォーク・クルセダーズ
Monkey Business (1952) Trailer
Cleo from 5 to 7 / Cléo de 5 à 7 (1962) - Trailer
探究1 講談社学術文庫 (柄谷 行人)
GOODBYE OUR PASTELS BADGE - さようならパステルズ・バッヂ - / FLIPPER'S GUITAR
ちゃっきり節
【車載カメラ】国道246号線から国道129号線 大和市⇒平塚市【4K】
広沢虎造 森の石松 東宝映画
【ポケビ物語】ポケビVSブラビ ガソリンすごろく対決「目指すは武道館ダニよーーー!」
「雨あがる」 |
| |
(今週のオオトカゲ)
バンコクのルンピニ公園にて
(今週のTikTok) My Favorite Dance