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2012.05.16 Wednesday

[chapter 7] 水の話 Une histoire d'eau


先週に引き続き、チェンマイ編をお送りします。

2012年5月某日、夜行バスでチェンマイ入りした私は、宿に荷物を置いて、早速散歩に出かけました。
市内を流れるピン川そばのエリアを歩いていると、ふと気になるものを発見しました。




あ、歩行者専用橋の通行禁止の柵が壊されてる!


びっくりして写真を撮っていると、私のすぐ横を、日傘を差した妙齢の婦人が通り過ぎて、当たり前のようにして柵をくぐって橋を渡り始めたので、私もつられて橋を渡ることにしました。















どっこいしょ、と婦人は、川の向こう岸にもある通行禁止用の柵をくぐりぬけて、行ってしまいました。

実はこの橋は、昨年9月の大洪水の時に、過剰な水圧に橋桁が亀裂を生じたか、土台の強度が弱くなってしまったか、とにかく危険な状態になったので、現在通行禁止になっている(はずな)のです。私がチェンマイを引っ越す今年の2月の時点では、確かに柵は盾の役割を果たし、橋を渡ることはできませんでした。
ところが、いつまで経っても復旧工事が始まらないものだから、近隣住民は業を煮やしたのでしょう。誰かが通行禁止の柵を破壊して、みんな橋を違法に渡っているというわけでした。
いかにもタイっぽいな、と思いました。




さて、ここで、去年9月のチェンマイの大洪水の画像&動画を紹介します。
当時私の住んでいたマンションは市内の西方にあり、標高が多少高い分、浸水の被害はなかったですが、ピン川から東側のエリアは床上浸水の被害も相当出たようです。水は1週間ほどで引きましたが、その後水害は、中央平原部のアユタヤからバンコク近郊にまで進んでいったのは、ご存知の通りです。




2011年9月29日の同歩行者専用橋からの眺め。
水が増水してコンクリート製の河岸ぎりぎりの高さのところまで達しています。



同日、ワローロット市場からナワラット橋方面へ向かう途中(自転車に乗りながら撮影)。
進行方向500m前方のナイトバザール地区では腰の高さまで増水していました。



*以下、ほぼ同一アングルで(now & then)で2枚並べてみました。画像をクリックすると拡大されます。


(左)2012年5月5日(右)2011年9月29日
明らかに水位が違う。









(左)2012年5月5日(右)2011年9月29日










(左)2012年5月5日(右)2011年9月29日










(左)2012年5月5日(右)2011年9月29日










(左)2011年10月25日(右)2011年9月29日



それにしても世の中、何が起こるか本当にわかりません。
この2011年9月29日は、私は所用で日本に帰るためにチェンマイからバンコクまで夜行寝台列車の切符を購入していたのですが、チェンマイ駅が水没しているという情報があり列車は運休。急遽、夜行バスでバンコクに向かったといういきさつがありました。鉄道の切符はバンコクで払い戻ししました。
タイ国鉄北部線は各所で鉄路が寸断され、復旧するまで、かなりの時間がかかりました。


現在チェンマイは、洪水の爪あとはまったくなく、リバーサイドにある馴染みの猫レストランも無事営業中で、可愛い猫たちに会ってきました。(先週のブログ参照)







よく通ったホテルのプールでのんびりしたり、以前住んでいたご近所さんを訪ねて世間話をしたり、ゆったり過ごしました。
また、休暇ができたら来ようと思います。

最後に、洪水の出てくる文学作品で思い出されるものをあげておきます。谷崎潤一郎の「細雪」には、1938年7月5日に関西地方を襲った「阪神大水害」についての描写が細かく記されています。谷崎は洪水によって現出した風景が中国の山水画のごとき感銘を覚えた、と芸術家らしい、不謹慎も厭わない発言を登場人物にさせています。(この水害で1000人以上の人が被災し、600人余りの人が亡くなったといいます)初めて読んだとき、こういうことを書ける谷崎に感動しました。「細雪」は何年かごとに再読しているのですが、その度、新たな発見があります。また読んでみたいです。

というわけで、今週はこのへんで。また来週、お会いいたしましょう。
(この項、おわり)








*今週のおまけ(1)
『水の話』(Une histoire d'eau)は、フランソワ・トリュフォーとジャン=リュック・ゴダールの共同監督による1958年製作のフランスの短編映画である。
洪水に見舞われた町からなんとかパリへ行こうと奮闘する女の子の姿を描く。いわゆる傑作とは言い難いが、ヌーヴェルヴァーグを代表する監督として特に人気のい2人による唯一の共同監督映画として貴重な作品である。しかも2人は後に袂を分かっている。
きっかけは、新聞にパリ郊外の洪水の写真が載ったこと。これを見たトリュフォーが「この洪水を利用して映画を撮るべきだ」と言うと、ゴダールが「それはいい。ぜひ撮るべきだ」と答えたという。即興的に撮ったものの、映画にはならないと諦めてトリュフォーが一日半で切り上げたものをゴダールが編集した。(中略)サイレント期の映画監督マック・セネットに捧げられている。また、1954年に刊行されたポーリーヌ・レアージュことドミニク・オーリーの性愛文学『O嬢の物語 (Histoire d'O)』とタイトルの韻がおなじであるのは、ゴダール的いたずらである。

学生時代から私の大好きな映画です。公開されたときにブーイングの嵐だったというのも、逆に「不憫な子ほど可愛い」という作品の一例でもあります。



ちなみに上記のwikipedia文中にある性愛文学の「O嬢の物語」は1975年映画化されていますが、主演女優のコレンヌ・クレリーが来日した時、テレビのインタビューで言った言葉が鮮烈に印象に残っています。「美と健康の秘訣は?」という司会者の質問に、コレンヌは「Sex at six」(朝6時にセックスすることよ)と答えたのでした。中学生の私にとって、ドッキドキしてしまった瞬間でした。





*今週のおまけ(2)
「チェンマイの石川浩司」(プチ・エログロ注意)
アニメーションgifの石川浩司さんです。こちら(↓)からどうぞ。

「妖艶ホリデー」でお馴染みの…。





















きゃー、かわゆい。今年7月に51歳になります。



















「妖艶ホリデー」第二十一回 参照
http://nihirugyubook.but.jp/youen3.html





















おまけのおまけ:メーサー・エレファント・キャンプにて。象にもみくちゃにされる筆者。
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