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2012.04.18 Wednesday

[chapter 3] 男の子の名前はみんなエロマンガっていうのね Tous les garçons s'appellent Erromango



ここはどこかというと、

タイ王国バンコク都トンブリー区

クルン・トンブリー通りと
サムデット・プラジャーオ・タークシン通りの交差する


タークシン交差点です。




今日の日記の主人公は、




この犬です。






大きな地図で見る

なんと、Google Earthのストリートビューにもちゃんと映っています!

それもそのはず、この犬は、この交差点に住んでいるのです。







私が初めてこの町を訪れたときから、この犬はいつもこの場所にいました。四方が交通量の激しい幹線道路なので、身動きがとれないのだと思います。この歩道から動いたところは見たことはありません。さいわい、陸橋の真下なので雨風をしのげるので生きるのは好都合だったのでしょう。また、人間に餌をもらっている形跡があるので、ここに住んでいるとみていいでしょう。なにかのきっかけでここに迷い込み、住み始め、そして、おそらくは死ぬまでここにいると思われます。
この犬のことは、いつかこのブログに書かなければなるまい、と最初に出会ったときから思っていました。


ある日、私は、ふと思いついて、この犬に名前をつけてみました。名前は

タークシン

といいます。まぁ、勝手に私がそう呼んでいるだけですが。

タークシンはこの交差点の名前であると同時に、トンブリー王朝の王様の名前でもあります。野良犬に王様の名前をつけるセンスがイカレテて、よくなくないですか(笑)。

ところが、名前をつけたとたんに、タークシン(犬)が以前とは違う意識で見え始めたことに気がつきました。

名前をつけるということは、固有名で呼ぶということであります。



柄谷行人は「探究供廚念焚爾里茲Δ暴劼戮討い泙后

固有名によって指示される個体性は、一般性(概念または集合)において見いだされるものとは異質である。くりかえしていうように、それは、この個体、たとえば富士山が山という集合に属するということをしりぞけるものではまったくない。また、固有名によって指示される単独性は、一つしかないという意味での単独性ではない。一つしかないからといって、われわれがそれを固有名で呼ぶとは決まっていないからである。あるものの単独性は、われわれがそれを固有名で呼ぶかぎりでのみ出現する。
固有名は、たんに個体に対する命名ではない。それは「個体」をどうみるかにかかわっている。たとえば、何千頭の牛を飼っている人にとって、個々の牛は牛という集合の一員でしかない。しかし、但馬牛の場合のように、家で一頭または数頭飼っている人にとっては、そうではあるまい。彼らが実際に牛に名をつけているかどうかは知らないが、かりに「ウシ」と呼んでいたとしても、それは固有名でありうる。(略)牛を固有名で呼んでいる者にとっては、それを殺すことは困難だろう。これは"ヒューマニズム"の問題ではない。彼は、兵士としては、平気で人間を殺すことができるだろう。なぜなら、敵の兵隊は敵という集合の一人であり、固有名をもたないからである。いいかえると、これは個体としての対象が「何であるか」とは関係がない。つまり、人間であろうと牛であろうと関係がない。さらにいえば、固有名で呼ばれるものが、個人であろうと牛であろうと、関係がない。肝腎なのは「誰であるか」だ。
レヴィナスは、「顔」を見るかぎり、他人を殺すことはできないという。おそらく、彼は、フッサールへの内在的批判を通して、他者を個体性ではなく、単独性として見いだしたのである。したがって、彼が「顔」によって意味しているのは、個体の単独性だといってよい。しかし、「顔」というメタファーは不正確である。というのは、それはどうしても人間に限定されてしまうからだ。むしろ、こういうべきだろう。われわれがあるもの(個体)の「顔」、すなわちその単独性を意識するとき、それを固有名で呼ぶ、と。
(柄谷行人「探究供彗1部 固有名をめぐって)

ここで柄谷の使っている「単独性」とは、もはや一般性に所属することのできない個体性のことを言っています。「この私がある」の「私」は単独性であり、他の私と取替えがきかないのに対し、「私がある」は、一般的な私のひとつ(特殊)であり、どの私にも妥当すると言っています。そして「単独性」を「特殊性」(個別性)と区別しています。

とっても難しい文章ですが、よーく考えると、なんとなく理解できるような気もします。
ここまで読んでいただいた読者の皆さん、もう一度、画面をスクロールしてこの記事の最初のほうの画像を見てみてください。単なる犬の画像と思って見るのと、タークシンという固有名を持つ犬だと思って見るのとでは、まるで違って見えませんか?不思議ですね。








*今週のおまけ

男の子の名前はみんなパトリックっていうの

(Charlotte et Véronique ou Tous les garçons s'appellent Patrick)は、1957年製作のフランス映画である。ジャン=リュック・ゴダール監督による2作目の劇映画、3作目の映画作品(短篇映画)である。『男の子の名はみなパトリック』とも。


連載3週目にして、初めて「セーヌ右岸派(カイエ・デュ・シネマ派)」のジャン=リュック・ゴダール監督作品を取り上げました。30年くらい前、アテネフランセや日仏学院でこの映画が上映されていた頃は、最後に「ね」ってついていたような記憶があるのですが……。短編映画というと、ゴダールとトリュフォーがめずらしく共同監督した「水の話」は好きだったなー。









*おまけ(その2)--チャットでの石川浩司さんとの会話ばっすい(タイやバンコクのことについて話しているくだり)
石川浩司(埼玉):今年はタイは洪水のほうはどうなの? 2012/04/12 23:27
波照間エロマンガ島 : 今年はまだ聞きませんねー。去年はけっこう人災の部分が大きかったみたいで。 2012/04/12 23:28
石川浩司(埼玉) : 左岸は来たら大変そう 2012/04/12 23:29
波照間エロマンガ島 : でも、トンブリは、治水工事ができていて、運河がやたらと張り巡らされているんです。 2012/04/12 23:29
石川浩司(埼玉) : あ、そうなんだ。 2012/04/12 23:29
波照間エロマンガ島 : 引っ越してくる前に、いろいろなところで、「この辺は洪水大丈夫ですか」ときいたら 2012/04/12 23:30
波照間エロマンガ島 : みんな、怒ったように「トンブリは大丈夫です」って言ってました。 2012/04/12 23:30
石川浩司(埼玉) : てっきり下町だから山手よりも治水が遅れてるのかと。 2012/04/12 23:30
波照間エロマンガ島 : なんか、日本の歴史でいうと、江戸時代の後期、1800年代頃からある古い町なので、けっこう洪水対策はしてたみたいです 2012/04/12 23:32
石川浩司(埼玉) : あ、昔は王国の中心だっけ。 2012/04/12 23:32
波照間エロマンガ島 : 今のラタナコーシン王朝がはじまる直前の王朝がトンブリにあったらしいです。アユタヤ王朝の頃。 2012/04/12 23:32
石川浩司(埼玉) : じゃあ古い物も残ってるんだ。 2012/04/12 23:33
波照間エロマンガ島 : 古いお寺、いっぱいあります。王朝あとっていうのはわからないですけど。 2012/04/12 23:34
石川浩司(埼玉) : なんかソイ歩きが楽しそうだね。 2012/04/12 23:34
波照間エロマンガ島 : けっこう、楽しいですよ。昼からおっさんが半裸で酒飲んでたり。 2012/04/12 23:35
石川浩司(埼玉) : トンブリも結構広い? 2012/04/12 23:35
波照間エロマンガ島 : そもそも、外国人の姿をほとんど見ないんです。 2012/04/12 23:35
波照間エロマンガ島 : アパートは月1000バーツくらいからあるような感じですね。 2012/04/12 23:36
石川浩司(埼玉) : あー。タイ語しか通じないか。 2012/04/12 23:36
波照間エロマンガ島 : 食堂のメニューはタイ語がほとんどでしょうか。でも、ピンクラオ地区は、華僑の入植をヤワラートの次に許可したところなので 2012/04/12 23:37
波照間エロマンガ島 : 中国語もけっこうあります。 2012/04/12 23:37
波照間エロマンガ島 : マッサージは、チェンマイ並みに安いです。120バーツくらいから。 2012/04/12 23:38
石川浩司(埼玉) : なるへそ。中華の店はそこそこあるんだね。 2012/04/12 23:38
石川浩司(埼玉) : おー、バンコク中心地とは違うんだね。 2012/04/12 23:38
波照間エロマンガ島 : そうですね。フカヒレ屋台の店に、こないだ行きました。 2012/04/12 23:38
石川浩司(埼玉) : でもやはりチェンマイより暑いすか。 2012/04/12 23:38
波照間エロマンガ島 : バンコク中心部より、マッサージははるかに安いです。 2012/04/12 23:39
波照間エロマンガ島 : 暑さはすごいです。1回外出して帰ってくると汗だくになります。なんか、みんな、ベビーパウダーで粉ふってますね。 2012/04/12 23:39
波照間エロマンガ島 : ミャンマーのタナカみたいに顔が白い人が多いです。 2012/04/12 23:40
石川浩司(埼玉) : 白塗りで踊りをクネクネ。 2012/04/12 23:40
波照間エロマンガ島 : タイ人って色黒なのを恥じているところがあるから、お化粧も、やったら白く塗るんですね。 2012/04/12 23:41
石川浩司(埼玉) : 男も? 2012/04/12 23:41
波照間エロマンガ島 : さすがに男は塗らないですけど(笑)。 2012/04/12 23:41
波照間エロマンガ島 : でも、性同一性障害の人はやたらといますね。 2012/04/12 23:42
石川浩司(埼玉) : やっぱり多いんだね。 2012/04/12 23:42
波照間エロマンガ島 : 職場に何人もいます。 2012/04/12 23:42
石川浩司(埼玉) : へー! 2012/04/12 23:42
石川浩司(埼玉) : 仕事は慣れた? 2012/04/12 23:42
波照間エロマンガ島 : だいぶん慣れました。なんとか首にならずにいられそうです。 2012/04/12 23:43
石川浩司(埼玉) : で、いつチェンマイに帰るの?(笑) 2012/04/12 23:43
波照間エロマンガ島 : チェンマイはいつでしょうかね(笑)。 2012/04/12 23:44
波照間エロマンガ島 : とりあえず、来月は連休があるので、里帰りしようか、と。 2012/04/12 23:44
石川浩司(埼玉) : チェンマイに? 2012/04/12 23:44
波照間エロマンガ島 : ガレージ食堂へ行って犬やおばちゃんや常連客に会って来ようかと、思います。 2012/04/12 23:45
石川浩司(埼玉) : チェンマイが里なんだー(笑)。 2012/04/12 23:45
波照間エロマンガ島 : チェンマイは「行く」というより「帰る」感じですね。 2012/04/12 23:45
波照間エロマンガ島 : やっぱりいいですわ。 2012/04/12 23:45
石川浩司(埼玉) : 実はチェンマイにもヲンナが・・・。 2012/04/12 23:46
波照間エロマンガ島 : いえいえいえいえ(笑) 2012/04/12 23:46
石川浩司(埼玉) : バンコクの友人以上さんには会ってますか? 2012/04/12 23:46
波照間エロマンガ島 : たまに会ってます。合ってはいないかも(意味深w)。 2012/04/12 23:47
石川浩司(埼玉) : ふふふ 2012/04/12 23:47
波照間エロマンガ島 : 今は仕事一本で(嘘) 2012/04/12 23:48
石川浩司(埼玉) : 仕事はきつくない? 2012/04/12 23:48
波照間エロマンガ島 : 精神的には大丈夫ですが、肉体的にちょっと、と思うときがあります。 2012/04/12 23:49
石川浩司(埼玉) : 事務仕事じゃないの? 2012/04/12 23:49
波照間エロマンガ島 : 夕方になると、集中力が落ちるんです。 2012/04/12 23:49
波照間エロマンガ島 : ええ、事務仕事なんですけど。ずっとPCに張り付いているので。 2012/04/12 23:50
石川浩司(埼玉) : 給料はタイ人よりいいの? 2012/04/12 23:50
波照間エロマンガ島 : タイ人よりはいいですが、日本での給料水準から見たらすごく低いですよ。金額はいえないほど。 2012/04/12 23:51
石川浩司(埼玉) : まぁそうでしょうね?。 2012/04/12 23:51
波照間エロマンガ島 : でも、バンコクで暮らす分には、ぜんぜん大丈夫なくらいは。 2012/04/12 23:52
石川浩司(埼玉) : 日本で恋しい物ありますか?食べ物とか漫画とか。 2012/04/12 23:52
波照間エロマンガ島 : 日本では文芸雑誌を毎月全誌購入していたのですが、タイに来てからはそれができないのが飢餓感があります。(群像、文学界、新潮、すばる・・・) 2012/04/12 23:54
波照間エロマンガ島 : こちらの古本屋にある本は今ひとつ趣味が合わないもので。 2012/04/12 23:54
石川浩司(埼玉) : おー。書店で定期購読は?高いか。 2012/04/12 23:54
波照間エロマンガ島 : 高いでしょうね。 2012/04/12 23:54
石川浩司(埼玉) : そんなに文芸雑誌を読んでいたとは。 2012/04/12 23:55
波照間エロマンガ島 : 小説はあまり単行本は買わずに文芸誌で読んでいたんです。 2012/04/12 23:55
石川浩司(埼玉) : ほー。 2012/04/12 23:56
波照間エロマンガ島 : でも石川さんの置いていかれた本も読んでますよん。 2012/04/12 23:57
石川浩司(埼玉) : 俺は軽いものばかりだからなぁ。 2012/04/12 23:57
波照間エロマンガ島 : 源氏鶏太はいいですね。 2012/04/12 23:57
石川浩司(埼玉) : はは、昔は売れっ子作家だったよね。 2012/04/12 23:58
石川浩司(埼玉) : でも文学の歴史的には残らない類いの。 2012/04/12 23:58
波照間エロマンガ島 : 昔の中間小説みたいなの好きです。週刊誌で連載していたような。 2012/04/12 23:58
波照間エロマンガ島 : なんか昔の空気や風俗が行間からにじみ出ているような。。。 2012/04/12 23:59
石川浩司(埼玉) : そうなんだよね。時々読みたくなる。 2012/04/12 23:59
波照間エロマンガ島 : 日本映画全盛時代は、そういう作家の作品を原作にして、やたらと映画が撮られてましたね。 2012/04/13 00:00
石川浩司(埼玉) : うん、だいぶ作られたろうね。そしてその映画も歴史的には消えて行く感じの。 2012/04/13 00:01
石川浩司(埼玉) : もっとマニアックなものはそれはそれで掘り返す人がいるんだろうけどね。 2012/04/13 00:01
波照間エロマンガ島 : そう、ビデオなんてなかったから、保存するなんて思わなかったでしょうね。 2012/04/13 00:02
波照間エロマンガ島 : 発想がないというか。 2012/04/13 00:02
石川浩司(埼玉) : だろーね。昔は今のテレビ番組作る感覚で映画も量産されてたもんね。 2012/04/13 00:02
2017.06.26 Monday

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